animals

私が陶芸を学んだ、工芸学校 Capellagården があるスウェーデンの南、Öland 島の田舎町で 素朴ながら豊かに暮らす人々から、syjunta という言葉を教わりました。気の置けない友人同士が集い、編み物や刺繍などをしながらお茶やおしゃべりの時間を楽しむという文化があるそうです。そんな彼らの為人を表すような週末のたのしみを、ある日 、粘土でやってみようよと友人に誘われ 学生寮のキッチンで生まれたのがこの動物シリーズです。土をこねて丸めて手足を伸ばして、お団子のようにしてつくった動物たちは、誰かの手に渡るとまた新たな物語が生まれることもありました。初めてつくった犬はルームメイトが愛犬パックスの分身だと喜んでくれました。ライオンは、友人が 髭もじゃで彼氏にそっくりだと笑い、きっとストックホルム生まれよ! と、故郷が決まりました。小さな一輪挿しは、腰をかがめ畑を世話した亡き祖母を想ってつくったものですが、家族思いの少年がお母さんへのクリスマスプレゼントにと一つ買ってくれました。

ものをつくることが、誰かの心に緩やかに近づくことができるきっかけになる。そんなふうに仕事が できたらいいなと思っています。